夜明け前

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焚き木

私は、天ぷらを自ら作ろうとしたことは無いのだが、私が付き合った男性は例外なく料理することを好み、揚げ物も好きだ。(皆、肥満体型というわけではないけれど、とにかく揚げ物を自宅でやろうというまでのポテンシャルがある。私は面倒くさすぎて、無理。)

「食」に対してこだわりというか、かなり興味があるみたいだ。一方、私はあまり「これが食べたい」という欲求は起こらない。外食のとき困るタイプ。
「何が食べたい?」という質問に答えることが苦手だ。どうしても答えなければならないときは、いくつかパターンを決めてそれをローテーションさせるようにしている。

今回は久々に天ぷらが食べたくなったらしく、彼直々に揚げてくれた。私は供給されるがまま食べていたけど、揚げたてのそれは下手な居酒屋より美味しかった。
こういうのはなんだかいいなと思う。


いつか、昼は喫茶店で夜はバーという、小説のようなお店を開いてみたい。店内には私が好きな本を沢山置く。誰でも、その本を読みながらお酒を飲んだりできる。
メロウな音楽をかけて、美味しいご飯とコーヒー、お酒を提供する。寂しくて来店した人の夜が少しでも明るいものになるように。
そして私は、ややほろ酔いの状態で、気前よく接客をするだろう。


近頃思うこと。
心の火に焚き木をくべる作業は他人にやってもらうべきものではない筈なのに、最近はまたどうにもだめだ。
1人が分からない。
男だけが世の中の全てではないと、私に言いたい。

いつも自分を騙したり逃げながらやっている。周りの人たちもうまく騙してくれるけど、ほんとうは死ぬまで寂しいのだとしたら救われる筈もない。